季節の風景:マンサク(満作)の花
早春、万花に先駆けて “先ず咲く”が訛ってマンサクに
あるいは “豊年満作”を思わせるように枝いっぱい花を
つけるからというのが、花名の由来。金縷梅とも書く。
秋田の山間部では、この花の咲き方によってその年の
作物の作況を占う風習があるとか。マンサクが下向き
に沢山咲くと豊作、一斉に咲くと気候が良い、横向き
に咲くと風が強いなど。春霞のなかで、この深みのある
黄色の花を眺めていると両親に守られていた無邪気な
時代を思い出したり、人恋しさに似た郷愁が心をよぎ
るのはなぜだろう。
( 写真・文 大谷恭子)
花言葉: 「幸福の再来」「ひらめき」「神秘」
熱下がりまんさく咲いて母の手あり 川崎久美子