季節の風景:光る風とクロッカス
光る風の中、クロッカスが咲き始めた。四季の変化の受け止め方は、人さまざまだと思う。始まりに新鮮さを感じる人、終わりに名残を惜しむ人、春の迎え方にも、きっと希望と失意、明るさと憂いがあるだろう。でもこのクロッカスには、どことなく “待てば海路の日和あり”と、誰をも優しく励ましてくれているような健気さ が感じられる。 (文章 大谷恭子)
「クロッカスが咲きました」という書き出しで ふいに手紙を書きたくなりぬ 俵万智