Sugar & Salt Corner
No. 37
2009年5月2日
佐藤 敏雄

チョコレートの枚数

ゴルフ好きの皆さんには覚えのある話題ですが、案外ご存知ない方も居られるのでは。ご存知の向きはご容赦を。

ゴルフでは、色々な遊びがあります。某商社のWさんはゴルフでのゲームの大家、色んな遊びを知っています。例えば、グリーンで3パットしたら「へび」と称し罰としてチョコレート1枚。池に入ったら「かば」で1枚、バンカーに入ったら「わに」で1枚、全部やったら「エイズ」でその2倍などなど。ティーショットがフェアウェーに乗ったら「星の王子様」で1枚獲得、ラフに入ったら「ルンペン?」と言って罰1枚という具合です。

他にも色々あるのですが、「オリンピック」の算数のお話をご紹介しましょう。 4人ともグリーンに乗って、さあ、いよいよパットの勝負開始です。カップまでの距離の1番遠い人が「金」を貰う権利を得ます。次の人は「銀」、3番目の人は「銅」、一番カップに近い人は「鉄」を貰う権利を得ます。先ず一番遠い人から打ちますね。これがカップインしたら「金賞」でチョコレート4枚(外れたら0)を獲得します。2番目の距離の人がカップインしたら「銀」で3枚、3番目が「銅」で2枚、最後の人が入れたら「鉄」で1枚という具合にパットを競います。例外として、グリーンの外からチップインしたら、「ダイアモンド賞」で5枚を獲得します。こうして18ホール終わった後で、各人が獲得したチョコレートの枚数を集計するのですが、例を挙げましょう。

 

Kさん
Mさん
Wさん

ダイア(5)
1(5)
0
0
0

金(4)
3(12)
1(4)
2(8)
5(20)

銀(3)
2(6)
3(9)
4(12)
2(6)

銅(2)
3(6)
6(12)
2(4)
3(6)

鉄(1)
5(5)
0
5(5)
5(5)

合計枚数
(34)
(25)
(29)
(36)
(合計124)



さて、計算ですが、私はチップインしてダイアモンドを得ると言う妙技?もあり、合計枚数は34となりました。そこで、
Kさんからは34枚頂き、25枚差し上げますから、差し引き+9枚
Mさんからは34枚頂き、29枚差し上げますので、差し引き+5枚
同様にWさんには差し引き−2枚(負け)で、合計すると、+12枚獲得となります。
同様にして他の方の分を計算すると、Kさんはマイナスで24枚の払い出し、Mさんは8枚の払い出し、Wさんは+20枚獲得となるのですが、ああ、ややこしい。
ビールを飲みながらの打ち上げ会で、頭の悪い私など4人の数値をつき合せての計算に四苦八苦していたのですが、Wさんはこの点にだけ?は素晴らしい才能を発揮して皆を驚かせたものです。曰く、 「4人の獲得枚数を足して平均を出せ(この場合124 / 4 = 31枚)。君の獲得数(34枚)と平均値(31枚)の差(+3枚)を4倍したもの(+12枚)が、君の獲得数である」と。 なあるほど。

では各人についてはどうなるか。
Kさんは: (25枚−31枚)*4=−24枚
Mさんは: (29枚−31枚)*4=−8枚
Kさんは: (36枚−31枚)*4=+20枚
確かに上の説明の結果と合っています。こうすれば、各人が夫々3人の相手とつき合わせて計算しなくても、一度に解決してしまいます。 因みに各人の取り分を合計すると「0」になります。マイナスの人Kさんが24枚、Mさんが8枚のチョコレートをテーブルの上に出し、その中から私が12枚、Wさんが20枚取ればよいのです。

コンペのように人数が多くなると、各人相互でわいわいやらなくて済むWさんの計算の方がずっと簡単になります。 何だか騙されたような気もします。代数を使った簡単な計算で、この方法が正しいことは確かめられますが、小学生にも分かるような説明は難しそうですね。お分かりの方、教えてくださいませんでしょうか。

最後に一言: 池の手前に落ちたボールは「かば」になる可能性が高いので、カップを狙わずわざと後ろ向きに打ち易いところに出すとか、アプローチでは迂闊に遠い場所にオンすると3パットして「へび」になり易いので、わざとエッジまでころがすなど、スコアは悪くても罰金を減らそうとする人が出ますから、この遊びはゴルフの上達には役に立たずお勧めできません。

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