Sugar & Salt Corner
No. 51
2015年2月22日
佐藤 敏雄
1月末、ホワイトハウスの芝生に小型無人飛行機が墜落したというニュースがあり、世界中を驚かせました。政府職員が趣味で作った機体が誤って進入・墜落したものだったそうで、一時はテロかと大騒動になり、防衛上の問題にもなっています。 このような無人飛行物体「small unmanned aircraft systems (sUAS)」は、小型であり、低空を飛ぶことから鳥との識別も難しく、適切な対策をとらないと、通常のレーダーでは発見が困難です。
2月15日、FAAはUASに関し、重量25s以下で目視可能範囲のみ昼間に飛行すること、最高高度は500フィート(150m)等という規制案を公表しました。(写真はIEEE Spectrum Tech Alert, Feb 12, 2015 より)
中東の戦争などでは、プレデターと呼ばれるもっと大きな無人航空機が偵察やミサイル攻撃に使われています。
このようなUASを英語では「drone」と言うようです。見慣れない単語なので辞書を引いてみると、これが面白い。「無人操縦機」の他に「ちっとも働かない雄の蜜蜂」に始まり「怠け者」「のらくらもの」などなど。カナで書いたら「ドローン」となりますが、ドロンすると言えば、忍者が姿をくらますとか、授業をさぼるなどの意味で使われてきました。もともとは、歌舞伎で幽霊が姿を消す時に使われた音響から来ているとか。(アラン・ドロンを想起する方もあり?)
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ドローンは災害救助に使われたり、中国などで商品の配達に使うこと(右写真)が検討されているようです(FAA案では禁止)が、その実用化までには、地上の人や物体に対する安全性の確保など、法規制を含め、多くの検討課題があるようです。
最近では、無人操縦飛行機の製作材料を毎月販売する雑誌?のコマーシャルがテレビで放映されています。空飛ぶことを夢見て、模型飛行機作りに情熱を傾けていた、かつての航空少年は、今や「のらくら」のドローンと言われるようになっています。いやはや・・・・