二頭は脱走したのですが、見つかりにくいよう二手に分かれて逃げました。この二頭が二ヶ月ほど後に再会しましたが
、一頭は丸々と肥っていたのにもう一頭はガリガリに痩せておりました。
痩せたライオンが言いました。
「追いかけ回されて、たった一人の人間しか食えなかった。
もうフラフラで、あとは、たまにネズミか
リスしか食ってないよ。。。。」
肥ったライオンが言いました。
「オッホン、わしはIBMの近くに隠れていて、毎日一人づつ
課長を食っていたよ。それでも奴等は
全然気がつかなかったぜ」
大会社ではやたらとエライ人が多いようです。
さて、最近新しいライオンの餌が急増しています。
曰く、CXOです。CはChief、Xは名詞、形容詞、動詞何でもよろしい。OはOfficerです。
CEO(=Chief Executive Officer:最高経営責任者)
についてはお聞きになったことがおありでしょう。他にも
CFO(Chief Financial Officer:財務担当役員)
COO (Chief Operating Officer:業務担当役員)
CIO (Chief Information Officer:情報担当役員)
CTO (Chief Technical Officer:技術長)
などがありますね。中にはCEOをモジッて、
女性社長をSheEOと呼ぶこともあるそうで、これはセクハラですね。
何と200以上のCXOがあるそうですが、先ずAの部では
Chief Awareness Officer(デパートのMark & Spencer社)
に始まり、Zの
Chief Zoom Officer(ニューメディアのZoom Culture社)
などなどなどです。技術関係をチョッと覗いただけでも、
Chief Content Officer
Chief Data Officer
Chief e-Business Officer
Chief Information Officer
Chief Knowledge Officer
Chief Privacy Officer
Chief Risk Officer
Chief Software Officer
などなど。
特に注目すべきは CKO
フォーチュン500社の25%に見られるそうです。ビジネスが単なる情報ではなく
Knowledge(知識)を売り物にし始めたということでしょう。CIOの多くがCKOに変わったり、CIO達の
多くが転職したりしているそうです。CIOはCareer Is Overだというジョークもあるんですよ!
CKOの役割は、社内の「知識」を創造し、組織化し、それを共有化するということのようです。
生き字引のようだった古参社員が退職した途端に仕事が滞るのは良くあることですが、
米国ではこのような古株社員はブーメランのように再雇用され、倍のサラリーをとるケースが多いそうです。
KDDもそうだったらよかったですね。
ヒューレットパッカード(HP)の前CEOプラット氏は「HPは自社が何を知っているかを知ったら、
今の3倍の利益が出るだろう」と言っていたそうです。CKOは自社の得意分野を掘り出し、社のノウハウを
成文化する役割を演じることになるでしょう。90年代初頭、経営者達は「データ」より「情報」が欲しい
と言ってきましたが、今や「知識」がハバを利かせています。しかし大切なことは、ただ事実を知っている
「知識」ではなく、それを使いこなす「知恵」(Wisdom)じゃありませんか?CWO(Chief Wisdom Officer)など
言う役職が出現するのもそう遠い将来の話ではなさそうですね。
(IEEE Spectrum誌, Aug. 2002より)